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JOURNAL #98

映ったのは自分の座標

ご注文いただいていた特大の特注ミラーが納品になり写真が届きました。
オフィシャルサイズの直径61cmからさらに10cm足して71cmの大型です。
(サイズオーダーはミラーもテーブルもお受できますのでよろしければ)

大きいので作るのも一苦労でした。

表面の意匠は型枠を作って放射状に正確にカンナで彫っていくので
型枠の見直しからの作業でした。

大きくなったことで体積も増えるのでロープ部分も念入りに編み込んでいます。

この編み目はアイスプライス加工と言います。

皆さんも港などで一度は目にしたことがあるんではないでしょうか。

ロープの先端を曲げて輪っかを作り、
元のロープに一緒に編み込むことで
ロープ同士の摩擦を利用して締めあげる加工です。
船を港に縛り付けておけるくらいなのでそれはそれは頑丈なんですよ。

ひとまずいい仕上がりになって満足しています。

お話をくれたのは静岡で建築家をしている大学の友人でした。
ありがとう。こうゆうのは何とも嬉しいもんです。

納品になって記録写真送ってくれた時にコメントで
「どんな人が使うのかも知ってほしいから家族の写真も共有するね」

彼がどんな姿勢でモノ作り(建築)をしているのか
すごく伝わってきました。

設置されたのは洗面台ということで、
毎朝私たちの作ったミラーを眺めてもらえることになります。
彼が設計した新しいお家と共にそのミラーに大きくなっていく家族の笑顔が
毎日映っていたらこんなに嬉しいことはありませんね。
大きいのでばっちり家族全員映ります。

そもそもミラーって家具の中ではすごく特殊ですよね。

もちろん機能は正面にあるものを「映す」ですが、それだけじゃない。

ミラーを通して表情を見たりその奥の感情を感じたり。
目には見えない効能だけれど以外と多くの人がやっていることのような気がします。
ドラマやCMでも鏡の前のシーンは必ずそういった演出がなされていますし。

そうゆう意味では
ミラーはその人のその瞬間の感情を額に入れる装置のようにも思えてきます。

私も高校生の頃、すごく気になっていた女性と初めて電話で連絡を取った時に
たまたま足元にミラーがあり自分の表情、いや感情を見たことがあります。

目は今にも溶けてしまうかのように垂れ下がり、
鼻の下は完全に伸びきって、
口角だけはこめかみまでつり上がっているような

表現しがたいほどの気色の悪い自分の表情に
とてつもない不甲斐なさに苛まれ、
静かにミラーを反対に向けたのを覚えています。。。

なんとも情けない一瞬の感情を額に入れてしまったものです。

私の陳腐な記憶はさておき、
ミラーは他の家具とは違って深くその主人と関わるモノです。

皆さんもミラーは慎重にいいモノを選んでください。
縁起物でもありますからね。

新しいお家にいろいろな人が訪れて、
多くの笑顔が写る鏡になったらいいな。

私たちはそうですね、
こうやって作り手と色々と関わってこれているので
何かワクワクするアウトプットが生まれたらこんなに楽しいことはないなと。
ちょっと考えてみよっと。

今回話をくれた建築の友人も私たちも
ミラーの前に映る自分は当時と大きく変化しているでしょう。
当時から楽しむこと最優先なのは全く変わっていませんが、
鏡の中の自分の目を入り口にして
深い深い精神の深部へ入って自分の感情を手繰り寄せる。。。

私はね、ヒゲが濃くなりました。

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